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9月3日 「すべての子どもが愛されて育つために」シンポジウム開催しました

「すべての子どもが愛されて育つために~親⼦⽀援から⾥親、特別養⼦縁組など様々な家族のかたちを考える~」シンポジウム

※詳細な報告書は2018年11月以降に公開予定です。

9月3日、よみうり大手町ホールで「全ての子どもが愛されて育つ社会シンポジウム」が開催されました。
開会の挨拶を日本財団会長 笹川陽平が行い、来賓の挨拶を厚生労働省子ども家庭局長 濵谷 浩樹氏より賜りました。

日本財団会長 笹川陽平氏
厚生労働省子ども家庭局長 濵谷 浩樹氏

基調講演では瀬奈じゅん氏による自身の壮絶な不妊治療の体験から特別養子縁組までの葛藤、実際に特別養子組をして得た幸せについて話されました。

34歳まで宝塚で過ごし、結婚願望や子どもが欲しいといった想いは全くなかった瀬奈氏。38歳のときに現在の夫である千田真司氏と結婚。しかし、結婚後も舞台などが忙しく、不妊治療を始めたのは40歳のときでした。

「私は、子どもが欲しいと思ったことがなかったというのもあるのですけれども、ほんとうに宝塚しか知らない無知でした」
不妊治療では、ホルモン治療により体調を崩し、心身ともにボロボロに。そんなときに、夫の千田真司氏から「特別養子縁組」の話があったそう。しかし、すぐには決断できずにた。不妊治療をやめてから、1年考えたといいます。
「考えても考えても答えは出ない。特別養子縁組に取り組んでみないと分からないこともいっぱいある。やはり私は家族が欲しいし、そして少しでも温かい家庭が必要な子どもがいて、親になりたい・子育てをしたいと思う人がいて、その双方が一緒に生活して幸せな家庭を築けるなら、そんな素敵なことはないのではないかと思うようになりました。」

元宝塚歌劇団・養親当事者 瀬奈じゅん氏

続いて塩崎前厚生労働大臣の基調講演。
塩崎氏は「真に子どもを大事にする国を目指して」と題して児童福祉の大きな流れについて新しい社会的養育ビジョンと改正児童福祉法を中心に話されました。

まず、日本の社会的養育の背景として、戦争孤児を収容するのが当初の目的であったこと、しかし時代が変わっても、子ども中心ではなく、大人の都合で物事が構築されてしまったことが問題であると指摘されました。
平成28年と29年における児童福祉法の法改正については、「子どもの権利」を第1条で入れ、「子どもの最善の利益」を優先することを第2条、第3条ではまずは家庭支援、それが無理なら家庭と同様の環境で育てるような特別養子縁組、それも無理なら里親といった理念規定の変更が最も重要であると説明されました。一方で平成29年の法改正では、家庭裁判所の関与を強くしたことも説明されました。

次に新しい社会的養育ビジョンの発表後、里親委託率など具体的な数値目標について、施設側からの反発があったこと、それでも非現実的な数字ではないことを熱く語られました。
新しい社会的養育ビジョンを踏まえた都道府県計画の策定要領については、里親委託率をどうするか、また施設におけるユニット制の廃止について話されました。

最後に、結愛ちゃん事件を受けて、子どもと家庭のために何ができるかとしては児童相談所の専門性強化、児童相談所における人員配置基準の強化が重要であることが説かれました。

衆議院議員・前厚⽣労働⼤⾂ 塩崎 恭久氏

休憩をはさみ、読売新聞社東京本社編集委員の猪熊律子氏がコーディネーターとなり、パネルディスカッションが行われ、
「各登壇者の取り組みの発表」が各登壇者より話され、続いて「里親養育の推進と質向上に向けて」「特別養子縁組を増やすために」「いま私たちにできること」が議論されました。

当日は全てを紹介・パネリストに意見をもらうことは時間の都合上できませんでしたが、今後、当HPで紹介していきます。また、詳細な報告書も2018年11月以降に公開予定です。

私たちは、社会と子どもたちの間の絆を築く。

すべての子どもたちは、
“家庭”の愛情に触れ、健やかに育ってほしい。
それが、日本財団 子どもたちに家庭を
プロジェクトの想いです。

プロジェクト概要