妊娠SOSの推進
妊娠SOSの推進
日本財団では、妊娠SOS相談窓口が全国に普及されることを目標に、助成を行ってきました。 予期せぬ妊娠は、0歳0ヶ月0日の子どもの虐待死や、子どもが社会的養護下に入る要因のひとつと考えられています。また、現在日本において、困難な状況にある女性を妊娠期から支える保護施設(産前産後の居場所)は非常に少ない状態です。妊娠時から必要な支援を行うことで、生まれてくる子どもの身の安全や、より良い養育環境の保障に結びつくと考え、妊娠SOS相談窓口・産前産後の居場所を運営する団体への支援を行っています。
妊娠SOS相談窓口の推進
妊娠SOS相談窓口とは
予期せぬ妊娠をしたがどうしてよいかわからない、妊娠したかもしれないが誰にも言えない、妊娠を前向きに捉えられない、といった妊娠における葛藤は「妊娠葛藤」と呼ばれ、一般の健康相談や妊娠相談としてではなく、その「妊娠葛藤」に特化して相談を受けるのが「妊娠SOS相談窓口」です。
妊娠SOS相談窓口では、予期せぬ妊娠をした女性や家族などが匿名で相談することができます。ただ、相談者の話を傾聴するだけでなく、必要であれば医療機関や行政機関への同行支援も行います。また、予期せぬ妊娠の背景には貧困・虐待経験・借金・精神疾患等の様々な課題があり、そうした困難な状況にある女性を妊娠期から中長期的に支援するために「産前産後の居場所」の提供を行っている窓口もあります。
なぜ、妊娠SOS相談窓口が必要か?
児童虐待死亡事例は、ここ10年ほどは50件前後で推移しています。その約半数は0歳児となっています。加害者は実母が最も多く、実母の背景には予期せぬ妊娠であったことや、妊婦検診未受診であった割合が高くなっています。
日本では予期せぬ妊娠に対し自己責任として厳しい視線が向けられる傾向もあり、孤立している当事者の場合、妊娠を誰にも相談できず、一人で抱え込み、医療機関や行政機関にも繋がらず、十分な情報がないまま妊娠を継続し、母子の生命にとって危険な孤立出産に至り、結果として、0歳0ヶ月0日死亡という結末に繋がってしまったケースもあると考えられます。
このような予期せぬ妊娠を背景とする母子の生命と健康の危機を回避するためには、まず妊婦の孤立を防ぐことが重要と考えられ、そのための重要な取組の一つとして、周囲に妊娠を打ち明けられない女性たちのSOSをキャッチする相談窓口の確保が挙げられます。
それに加え、相談だけでは支えきれない、妊娠以外の深刻な課題も抱えた女性を中長期的に支える居場所支援も必要と考えられます。
※厚生労働省資料 児童福祉法等の改正について 令和4年6月20日
日本財団の妊娠SOS相談窓口助成先団体一覧
日本財団は、かねてから妊娠SOS相談窓口の支援をしてきましたが、全国的な普及が必要という認識の下、2020年度には公募を行い12団体を採択しました。これまで日本財団が助成を行った団体(当年度も含む)は下表の通りです。
2024年4月より「改正児童福祉法」にて『妊産婦等生活援助事業』が法定化されるなど、政府も困難な状況にある妊産婦支援を拡充する動きが出てきました。一方で、質の高い窓口及び居場所の全国普及が急に実現するわけではありません。
日本財団は今後も助成を通じて、窓口及び居場所の全国普及や質の向上に取り組んでまいります。
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所在地 | 事業名 | 団体名 | リンク |
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東京都 | 妊娠SOS相談窓口の強化 | (一社)全国妊娠SOSネットワーク |