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イベント情報

『子どもたちに家庭を 2020オンラインイベント』リポート

日本財団が『4月4日よ~し(養子)の日』に毎年開催している家庭養護の啓発イベントが、2020年は10月の24日にオンラインで開催されました。特別養子縁組家庭からはダンサーで俳優の千田真司さん、養育家庭からは13歳の里子さんと生活されている養育里親のじゅなさんにご登壇いただき、育ての親となったいきさつや子育てのこと、これからの制度のあり方について語っていただきました。当日の様子を振り返ります。

司会・日本財団 新田歌奈子:本日は「養子縁組と里親経験者からの告白」と題し、特別養子縁組の養親であるダンサーの千田真司さん、里親制度の養育里親であるじゅなさんにお話を伺ってまいります。

千田真司:2018年に特別養子縁組で父になりました。今年は4月4日の養子の日のリアルイベントが開催できませんでしたが、このような機会を頂けて本当に嬉しく思っています。

新田:中学生の女の子を養育されている養育里親のじゅなさんは、音声のみのご出演となります。

じゅな:11年前から里子さんと夫婦の3人で暮らしています。受託した時は2歳だった里子さんも13歳になりました。思春期を迎え、さらなる成長に喜びを感じる今日この頃です。

新田:里親支援のNPOキーアセットでソーシャルワーカーをされている中村みどりさんの VTR もございます。

開催に先立ち、発表がございます。これまで親しんでいただいた『日本財団ハッピーゆりかごプロジェクト』というプロジェクト名称が変更となりました。新名称は『日本財団子どもたちに家庭をプロジェクト』となります。2013年に特別養子縁組の推進を目的に発足したプロジェクトですが、近年は特別養子縁組のみならず、里親制度、虐待防止、親子支援などの啓発活動にも幅を広げていることから、プロジェクト名称も変更の運びとなりました。

千田:多くの子どもが温かい家庭で育つようにという願いが込められた新しいプロジェクト名が、浸透していくと良いですね。

養子縁組制度と里親制度の違い

新田:まず、特別養子縁組制度と普通養子縁組制度、里親制度の違いについて下記の表をご確認ください。

養子縁組と里親制度の違い

千田:里親と普通養子縁組、特別養子縁組の違いがわからないという方もまだまだいらっしゃいますので、正確な情報発信が必要ですね。じゅなさんは養育里親ですよね?

じゅな:そうです。里親は子どもが実の親の下で暮らすことができるようになるまで、もしくは18歳まで要保護児童の養育をします。そのため、委託期間はまちまちで長い場合は18歳になるまで委託を続けるケースもあります。

なぜ子どもが欲しいのか自問自答

新田:じゅなさんが養育里親になろうと思ったきっかけは?

じゅな:私は晩婚で40代前半から不妊治療をはじめました。なかなか授からないなかで、「なぜ自分は子どもが欲しいのか」ということを自問自答しました。私が出した答えは「実子であるかどうかに関係なく子育てをしたい」ということでした。
母にこの思いを伝えたところ、里親制度があると教えてくれました。その後、東京都の里親体験発表会に参加し、そこでお聞きしたお話に感動して、ぜひ里親になりたいと思いました。

千田:僕たちも、妻がじゅなさんと同じくらいの年齢の頃に不妊治療をしていました。最近は20代で特別養子縁組をされるご夫婦のお話もお聞きします。早い段階で特別養子縁組の情報と向き合えるといいなと思うので、こうした制度があるという情報を広めていくことは大切だと思います。

新田:日本財団では4月4日を「よ~し」の語呂合わせで『養子の日』として、毎年イベントを開催するなどの普及啓発活動を続けており、今後も啓発を続けていきたいです。
それでは、これから特別養子縁組をしたい、養育里親になりたいという方々にお二人からアドバイスをお願いします。

千田:特別養子縁組を考えている方の多くは、不妊治療をご経験されていると思います。僕たちにとっては、不妊治療は苦しいことが多かったのですが、「不妊治療をやめる」と決めるときが、一番苦しかったです。妻と一緒に書いた本『ちいさな大きなたからもの―特別養子縁組からはじまる家族のカタチ』にも綴っていますが、その日の事は明確に覚えています。
ただ、その苦しみから気持ちを切り替えられたのは、特別養子縁組という制度のことを知っていたからですし、特別養子縁組に向けて進み、子どもを迎えてから今に至るまでは苦しさを感じたことはありません。
皆さんと同じような子育ての悩みはありますが、特別養子縁組だからといって特別な苦しみを感じたことはありません。むしろ、楽しいことや幸せなことが百倍、千倍あると感じます。「真実告知に向き合う」ということ以外は、変わらないと思います。うちの子は3歳になり、いろいろな話も分かるようになってきて、真実告知について妻と話し合うことも増えました。

新田:今回のイベントに併せて『真実告知』『ルーツ探し』『ライフストーリーワーク』をテーマにした研修動画も配信しました。

千田:僕たちもこうした学びの情報を参考にした上で、子ども一人ひとりに合った真実告知の方法を探りたいと思います。話をするタイミングも必ず3歳とか、5歳までとか、杓子定規でなく、子どもの様子を見ながら伝え方を考えていきたいと思っています。

最初の出会いで不安が消えた

新田:続きましてじゅなさん、里親になるまでのいきさつやご苦労されたことなどがあれば教えてください。

じゅな:養育里親に登録してからは3ヶ月後に一歳になる女の子の紹介がありました。担当の相談員さんが、満面の笑みを浮かべた愛くるしい写真を見せながら、お子さんの話をしてくれました。それから2か月後に実際にそのお子さんとの引き合わせがありました。
初めて会ったとき、子どもの方から主人に近寄ってきて遊びたがっている様子でした。
この瞬間に「私はこの子どもを育てよう」と里親になる決心をしました。

新田:それまではご心配もあったのですか?

じゅな:「私に里親の役割ができるのだろうか」という不安も少しありました。でも、そんな不安は子どもと会った瞬間に消えてしまいました。引き合わせの後、交流期間委託へと進んで子どもと同居となり、私たちの場合は登録してから13ヶ月で念願の養育里親としての生活が始まりました。
受託するまでに里子さんと交流期間があります。平日の面会、そして週末のお泊りの日は楽しかったです。当時私はIT企業でエンジニアとして働いていましたので、平日の面会の際には会社を抜け出して乳児院を訪れていました。
乳児院では室内で一緒に遊んだり、外を散歩したりして楽しく過ごしました。週末のお泊りの一緒に食べる食事メニューや外出先を考えるだけでもうれしくて。週末を待ち焦がれていました。交流期間は、委託してからの子どもとの生活を夢見ながら幸せな時間を過ごしていました。

里子を迎える場合は、職場にその旨を相談しておくことは大切です。委託後は最低1ヶ月間くらい仕事を休んで、ゆったりとした時間の中で子どもと関わりたいと思っていました。しかし、私がいた会社の規定では、実子または養子に対する育児休暇は取得可能ですが、里子は対象外ということでした。そこで人事に相談し、2ヶ月間の「特任休暇」扱いを認めていただきました。上層部からは「こうした制度で一人でも多くのお子さんをお預かりできるといいですね」など、温かい言葉をかけていただけました。
苦労したことは、子どもを近所の保育園に通わせられなかったことです。当初は自宅近くの区立保育園に入園を希望しましたが、区立保育園は4月入園以外に満杯でした。当時は今よりもっと厳しかったと思います。結局、会社近くの認証保育所に通うことにしました。自宅から子どもと一緒にバスや電車で片道約1時間かけて通園しました

新田:共働きの場合でも養育里親になれるのですね。この点を心配している方も多いと思いますが?

千田:特別養子縁組の民間あっせん団体は、夫婦のどちらかが育児に専念できることが条件になっているところもあります。僕たちがお世話になった団体は共働きでも大丈夫でした。共働きでも子育てはできると僕は思っています。

新田:さてここで、里親支援をなさっている中村みどりさんのビデオメッセージをお届けします。中村さんは乳児院および児童養護施設で18歳まで生活し、施設退所後は奨学金を得て大学へ進学し社会福祉を勉強されました。卒業後は社会福祉士として相談業務に携わり、現在は里親支援の NPOキーアセットでソーシャルワーカーとして勤務されています。

里親支援ソーシャルワーカーより

――NPO 法人キーアセットの活動を教えてください。

中村:NPO 法人キーアセットは日本全国に6か所の事務所があります。里親に関心ある方からの問い合わせ対応から、里親になるための研修、そして里親になった後の支援までを包括的に支援する、フォスタリング機関事業として活動している団体です。

――里親さんにとって心強い存在ですね。里親支援で大切にしていることは何ですか?

中村:特に里親になった当初。そして初めて子どもさんをお預かりしたときは、多くの里親さんが心配を抱えていらっしゃいます。

例えば「お預かりしたお子さんとどう関わっていけばよいか」「自分の里親活動は間違っていないだろうか」など、さまざまな悩みをお持ちです。こうした思いに寄り添いながら、家庭訪問や電話対応など、里親さんのニーズに合わせた細やかな支援を大切にしています。

――里親のニーズに合わせて支援によって、里親、里子の関係が良くなりではないかなと感じます。一方で、活動する上での課題はありますか?

中村:日本では里親家庭の数はまだ少なく、制度そのものがあまり知られていません。そのせいで、里親家庭で育つ経験をした若者が、社会に出て生きづらさを感じたり、里親を必要としている子どもたちに里親家庭を十分に提供できていなかったりします。第一の課題は、里親制度の周知や啓発だと思います。

――啓発に関しては同じように日本財団としても課題意識を感じています。2017年に実施した『「里親」意向に関する意識・実態調査』では、100万世帯が里親に関心がある、もしくはなっても良いと考えているということでした。この数は、現在施設で暮らしている約45,000人の子どもが、全員が家庭で暮らすことができる数であると思っています。支援を受けた里親からはどのような声がありますか?

中村:「里親として活動する中で新たなコミュニティができた」というお声がありました。個別の里親支援だけでなく、里親同士のつながりを作っていただき、子どもの育ちを共有できる仲間を増やして欲しいと考えています。

他には「一人で子育てするのではなく、みんなで子育てしていると感じる」と、おっしゃっていただきました。

――実際に里親になる方はどのような方がいらっしゃるのでしょうか?

中村:特別な資格をお持ちでなくても、子育てがひと段落して何か地域の親子のためにサポートしたいという方、子育て経験のない方でも養育里親として活動されている方もいます。「地域の困っている親子のために何かしたい、今その余力が自分にはあるので里親になりました」という方が多いようです。

――里親になるのはハードルが高そうなイメージもありますが、実際はごく普通の方が手を挙げてくださっているのですね。最後に里親になりたい人へのメッセージをお願いします。

中村:里親家庭は、家庭だからこそ子どもたちに提供できるものがたくさんあります。例えば公園に散歩に行く、一緒にご飯の買い出しに行く、そんな日々の当たり前の日常生活を里親家庭で子ども達が経験するということが子どもたちの成長においてとても大切なことだと思っています。
「子どものために何かをしたい」「里親に興味がある」という方は、ぜひ近くの里親制度の相談窓口に問い合わせてみてください。

夫婦で足並みを揃えるために必要なこと

新田:ここからは、皆さまからいただいたご質問にお答えいただきます。

質問1)夫婦で足並みを揃えて特別養子縁組に向かうために必要なことは何でしょうか? 特別養子縁組を決意した時の覚悟などをお聞かせください。

千田:わが家の場合は、僕の方から妻に「特別養子縁組という制度があるのだけど……」と切り出しました。最初に話をするときは、やはり勇気がいることだと思います。僕は妻が不妊治療で苦しむ姿を見ていて「自分は何もできない」というもどかしさがあり、少しでも気持ちを切り替えるきっかけになればと思って話をしました。ですので、最初から特別養子縁組の覚悟を決めていたわけではありませんが「僕は血縁にこだわらないよ」ということが伝わればと思いました。
改まって話を切り出すのは難しいかもしれませんので、特別養子縁組をテーマにした映画やドキュメンタリー、今日のようなシンポジウムや講演会に足を運んだり視聴したりするときに、何気なく話してみるのも一つの方法だと思います。
「特別養子縁組を前向きに考えてみよう」という段階になったら、お互いの気持ちが同じ方向に向いていることが大切です。熱量はどうであれ、2人の思いが同じ方向に向かっていないと、ちぐはぐなことが起きてしまうかもしれません。そのためには、夫婦で話をする時間をたくさん持つ必要があります。
2019年の養子の日のイベントで「男子会」を開催させていただきました。女性は基本的にお話し上手ですし、悩みを打ち明けられる場所も男性より多いと思いますが、男性はそんな機会は少ないですよね。
ただ、やはり情報を集めないと夫婦で話し合いもできません。僕たちの場合は色々な団体のホームページを読んで、夫婦で話し合いましたが、それだけでは何に悩んだらいいのかもわかりません。そこで、ある団体のワークショップに行くことにしました。
インターネットの情報で止まっていると、その先に進みにくいので、お互いにもっと調べてみたいという気持ちがあれば、説明会やオンラインセミナーなどに参加するとよいと思います。一歩を踏み出すと、また知りたいことが出てきて、次の段階の話し合いができると思います。

じゅな:私が里親になった10年前は現在よりも情報が少なく、ネット検索をしても実際どうなのか分からない……、そういう悶々とした期間が続きました。次の一歩がなかなか踏み出せませんでした。
そういった時に母と里親制度のことを話して、体験説明会に行くという次のステップに向けて踏み出せました。夫婦の間ではいつも話をして、2人とも納得したうえで、進んでいけたと思います。

子どもとの生活の中で気を付けていること

新田:次のご質問も養子縁組、里親を検討中の方です。

質問2)「里子さんとの生活で最も気をつけることは何ですか?どこまでわがままを聞いてあげるべきですか?

じゅな:里子さんの本名を使わずに私たちの苗字である通称名を使うことです。私たちは委託開始当初より通称名を使うと決めて、保育園小学校、中学校でも同じ通称名で通しています。日常生活では本名を使うことはほとんどありません。子どもの苗字が異なることで考えられる影響を排除したいので、通称名を通しています。
次にどこまでわがままを聞いてあげるか。これは特に里子、養子、実子にかかわらず常識的な範囲で対応すればいいのかと思います。まずはその行動の理由を考えて色々な場合が考えられるので、その場に応じた対応をしていくという感じになります。
里子の場合は、急に里親に預けられた不安、注意を引くために駄々こねる、あえて叱られるような試し行動をとることもあります。子どもの気持ちに寄り添って「どうしてこういう行動をするのか」をよく考えて向き合う必要があると思います。

周囲の対応で嫌な思いをしないために

新田:養子縁組家庭からの質問です。

質問3)養子縁組をしたうえで、嫌な思いをした経験はありますか?

千田:不妊治療を終えるまではさまざまな葛藤がありましたが、子どもを迎えてからは一般的な子育ての悩みや苦労はあったとしても、嫌な思いをしたことはありません。ただ、まだ3歳ですから。小学校に入ってから、それが原因で何か嫌なことを言われることはあるかもしれませんね。
現在は家族の形にもシングルやステップファミリーなど、多様性があると思います。特別養子縁組家庭もその多様な家族の一つとして世の中に捉えてほしい。そのためには僕たちがあまり構え過ぎてもいけないかなと思っています。軽く考えるということではなく、世の中の受け止め方が、特別養子縁組が特別でなくなってくれたらいいと思います。

新田:日本財団が2016年に行った養子縁組家庭の調査では「養子縁組家庭は一般家庭と比べて幸福度が高い」という結果がでました。一方、「4人に1人は養子縁組家庭であることで嫌な思いをした経験がある」ということでした。自由記述欄には、学校の対応で嫌な思いをしたという方が複数いらっしゃいました。
その調査を踏まえて、日本財団では特別養子縁組の家庭の親御と学校の先生とのコミュニケーションツールとなる冊子を制作しています。社会の認知を上げていくことで、養子縁組家庭や里親家庭に対してもっとポジティブなイメージが広がればよいと思っております。

はじまりの連絡帳

千田:教育者など子どもに関係する方々にはぜひ知っていて欲しいと思います。保護者としては、それが子どもを守る手段の一つですから。

新田:続いての質問です。

質問4)養育家庭であることを学校にお伝えしていますか?

じゅな:私たちは養育里親であることを事前に保育園や学校に伝えてきています。ただ、周囲には言わないで欲しいということも伝えてあります。子どもや関係者が混乱するといけないので、通称名で通していて、里親相談員が学校に訪問して里親制度に関して学校側に理解を深めていただいています。

千田:僕も特別養子縁組家庭であることは、子どもと関わる教育機関には伝えるつもりです。

会社の制度を柔軟に利用した育休

新田:続いての質問です。

質問5)職場には事前説明をしましたか?育休など、どのような理解や協力を得られましたか?

じゅな:里子さんを迎えるための交流があること、交流中はお子さんとの平日面会があることを職場に説明しました。会社は1日の休暇と2時間ごとの時間休暇が取れる制度がありましたので、それを活用することにご理解をいただきました。上司や同僚には外出時の業務サポートに協力していただき、とても助かりました。
また、会社の規定では実子または養子以外の場合、育児休暇の取得はできなかったので、人事部に育児期間の休暇について相談したところ、里親制度についての理解を得て、人事部から特任休暇の取得を進めていただき、取得することができました。

新田:じゅなさんが実際に里親委託となることによって、会社の方も柔軟に対応してくださったのですね。

じゅな:もともと会社には特任休暇という制度がありました。通常の場合は会社の業務以外に他の業務を持っていた場合に認められます。その目的を達成するために取得するのですが、今回の場合は、里親制度ということで、その活動に参加するための目的ということで、認めてもらえました。

千田:解釈を広げてくれたのですね。不妊治療をしている方も職場の理解を得るのが難しいと聞きますよね。いろんなことに対してもっと柔軟な対応ができるとよいですね。

新田:質問6)特別養子縁組では半年間は苗字が異なりますが、その間、病院の手続きなどで困ったことはありましたか?

千田:生後5日で息子を迎えましたが、審判確定まで7か月ほどかかりました。その間、あえて前の姓は使いませんでした。初めて病院に行く際は、両方の母子手帳を出して説明をしました。病院では「千田と呼んでください」とは伝えていませんが、どこもそう呼んでくれました。病院や保育園など子育てに関わる機関、そして親しい方々には伝えることに抵抗がなければ、嫌な思いをすることはないかと思います。

血縁がなくても深い関係を作ることができる

新田:それでは時間となりましたので、最後にひと言ずつお願いします。

千田:悲しいことに、今も赤ちゃんの虐待死のニュースが絶えません。「もしあの赤ちゃんたちが助かっていたとしたら」と想像します。特別養子縁組や里親委託となり、家庭で育つことができるのはとてもうれしいことです。しかし、生みの親に置き去りにされてしまったという事実は変わりません。育ての親は、真実告知でその事実を伝えられるでしょうか。とても悩まれると思います。
予期しない妊娠で悩んでいる方が、この制度をご存じだったら、相談してもらえたらどんなに良かったか、と思います。時間は戻せませんが、もっとこの制度をたくさんの方に知っていただき、0歳0か月の虐待死をなくしていくことが大事だと思います。

じゅな:本日はお話を聞いていただきありがとうございました。血縁関係はなくとも、愛情を持って丁寧に接することで、深い関係を築くことができると信じています。里親になってみたいと思っている方がいらっしゃいましたら、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。そして、一人でも多くのお子さんが家庭で養育されることを願っています。

新田:本日はありがとうございました。

私たちは、社会と子どもたちの間の絆を築く。

すべての子どもたちは、
“家庭”の愛情に触れ、健やかに育ってほしい。
それが、日本財団 子どもたちに家庭を
プロジェクトの想いです。

プロジェクト概要