イベント情報
よ~しの日イベント、「特別養子縁組の今後にむけて」シンポジウム開催しました!
4月3日と4日、日本財団ビルで「よ~しの日」のイベントを開催しました。
2日間のイベントの様子はこちらからもご覧ください。→日本財団ブログ
よ~しの日(4月4日)の第二部には3名の方からご講演いただきました。
はじめの基調講演は、福岡市子ども総合相談センターの藤林武史所長から。
福岡市は里親委託率の伸び率が全国一の自治体として今までも注目をあびています。平成17年度に17人だった里親委託児童数は、平成27年度には144人まで増加しました。また里親委託を推進してきた10年間の中で、徐々に子どもにとってパーマネンシー(永続性)を意識するようになり、特別養子縁組する子どもの数も増えています。平成24年度からは、新生児委託への取組も開始しました。ける里親委託や特別養子縁組取り組みや児童福祉法改正によせる期待についてお話をいただきました。
現在の福岡市子ども総合センターでは、社会的養護に特化した職員として里親係6人と家庭移行支援係5人を配置しています。家庭移行支援係とは、施設に長期間入所している子どもの家庭移行をすすめるため今年度より新しく設置された係で、家庭復帰、里親委託、養子縁組、施設からの自立などの目標にそって活動する予定です。
今年度に予定されている児童福祉法の改正の主なポイントしては、国・地方公共団体に、家庭環境(家庭と同様の環境)における児童の養育の推進が義務付けられたこと、児童相談所の業務として、里親の開拓から児童の自立支援までの一貫した里親支援や、養子縁組に関する相談・支援が児位置づけられたことがあげられます。また、今後は要保護児童への司法関与のあり方や、特別養子縁組制度の利用促進についての検討が予定されており、今後の法改正や検討プロセスを見守るとともに現場から意見を発信していくことが重要であると締めくくりました。
次に、長年里親委託や養子縁組を実践されてきた家庭養護促進協会の岩﨑美枝子理事から「官民連携による養子縁組の実践」についてご講演いただきました。
家庭養護促進協会が数十年にわたり、養育里親の開拓・支援から養子里親の開拓・支援に移行してきた経緯や新聞掲載して養親を募る「愛の手」活動の変遷などを説明していただきました。近年の課題としては、児童相談所などの「官」と家庭養護促進協会などの「民」の連携の際に横たわる個人情報保護の課題やケースワークが困難な事例などが挙げられていました。 特別養子縁組についての今後の課題として、現状では施設に長期間入所している子どもや、年齢の高い子ども、また虐待を受けた子どもの特別養子縁組を進めてていくことが難しく、そのためには法制度の改革などが必要だと語りました。
最後に、日本女子大学の林浩康教授より、最近行われた「国内外における養子縁組の現状と子どものウエルビーイングを考慮したその実践手続きのあり方に関する研究(平成26年度)」の分析結果をもとに、特別養子縁組の課題と今後のあり方についてご講演いただきました。全国的に、養子縁組に関する相談開始年齢は出産前や1歳未満が全体の9割以上を占めているにもかかわらず、実際の養子縁組成立は5歳以降というケースが相当ケースあることが明らかにされました。また、養子縁組前後の養親への研修や支援については、自治体間格差や児童相談所と民間機関の間で格差があることも明らかになりました。
私たちは、社会と子どもたちの間の絆を築く。
すべての子どもたちは、
“家庭”の愛情に触れ、健やかに育ってほしい。
それが、日本財団 子どもたちに家庭を
プロジェクトの想いです。