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日本財団助成 全国妊娠SOSネットワーク主催 2024年度「にんしんSOS」情報交換会 イベントレポート~困難を抱える妊産婦へ、質の高い相談支援を~ 後編
全国妊娠SOSネットワーク(以下、「全妊ネット」)主催で、2024年度「にんしんSOS」情報交換会が10月4日(金)日本財団ビル(東京・赤坂)にて開催されました。
第一部は6名の登壇者によるシンポジウムが行われ、第二部は全国から会場に集まった相談員がグループワークを実施。ロールプレイを通して当事者目線での関わり方について研鑽し、相談支援の質の向上を目指した活発な情報交換がなされました。
※この記事は後編です。前編はこちらの記事をご覧ください。
全国で自治体の枠を超えた支援が必要
シンポジウムの後半は、全妊ネット理事でベアホープ理事でもある赤尾さく美氏のファシリテーションで登壇者によるディスカッションが行われました。
赤尾氏は「未だ支援団体が全都道府県に存在する状況ではないが、来年度からの次期社会的養育推進計画に組み込まれるので全都道府県に設置されることを願います」と述べました。
その後も、財源の問題を中心に、こども家庭庁として取り組むこと、専門職の確保・人材育成の重要性などについて、活発なディカッションがなされました。
第二部ではロールプレイを通して事例を検討
第二部は参加者が6名ずつの7グループに分かれ、全妊ネット理事でMCサポートセンターみっくみえ代表でもある松岡典子氏の司会でグループワークが行われました。
内容は、窓口に寄せられる架空の事例について相談者・相談員・保健師の3人の役でロールプレイを行うというものです。
赤尾氏はロールプレイの目的について「相談者とのやり取りをする際に、使える制度について理解してきちんと説明する必要があります。保健師や医療機関につなげるにせよ、自治体にこんな制度があって、あなたはこれが使えますということを口頭で説明する練習が必要です。また、相談員と対峙する相談者の立場になってみることで、気づきもあると思います」と説明してくれました。
ロールプレイは充分な時間をとって行われました。ロールプレイを通した事例検討はもちろん、第一部で話し合われた自治体による違いや財源の確保、事業所運営についてなど、それぞれのグループで活発なコミュニケーションが行われました。
ロールプレイを終え、各グループの代表から発表がありました。
「相談員以外の立場で事例検討することで、新たな気づきがありました。それぞれの立場で考えること機会はなかなかないので、相談者の立場、保健師の立場で考えてみることが有意義で楽しかったです」
「相談者とのLINEやメールや電話の方法など、どのような情報をどこまでやりとりすれば適切なのか。何とか支援につなげたいからと根掘り葉掘りお聞きすることで、かえってうまくいかないこともあります。ロールプレイを通して考えることができました」
情報交換会を終え、参加者全員で記念写真を撮影。妊産婦等生活援助事業などのトピックについて、事業の運営について、日頃の相談の方法など、充実した情報交換が行われました。
全妊ネット佐藤氏は「相談員にとって、この情報交換会は大変重要な機会です。今日の経験を糧に、相談対応の質の向上を目指していただきたい」と話しました。
*本イベントが10/4のNHKニュース取り上げられました(外部リンク)
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20241004/1000109708.html
*(一社)全国妊娠SOSネットワーク(外部リンク)
https://zenninnet-sos.org
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